思考ツール一覧へ戻る

経営インサイト

企業がお金をかけて競合分析をする理由

1960年代、IBMは当時としては奇妙なことをした。競合他社の製品を分析することだけをするチームを丸ごと雇ったのだ。

このチームの仕事は「模倣」ではなく「理解」である。相手はどの次元で勝ち、どの次元で負けているか?勝っている次元は顧客にとってどれほど重要か?

IBMはこの分析から一つの鍵を発見した。顧客がIBMを選ぶのは「ベストだから」ではなく、「IBMを買ってクビになった人はいない」("Nobody ever got fired for buying IBM")からだ。つまり、信頼と安心感が機能よりも重要だということ。この言葉は後にビジネス史上最も有名なマーケティング金言の一つとなり、ロッサー・リーヴス(Rosser Reeves)の1961年の著書 *Reality in Advertising* や無数のビジネススクールの教材に収録された。IBMはこれに基づいてマーケティング戦略全体を調整した。機能勝負ではなく、信頼勝負を打ったのだ。

1980年代に入ると、競争インテリジェンス(Competitive Intelligence)が正式に一つの学問分野となった。ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター(Michael Porter)は1980年の著書 *Competitive Strategy* で、「競合分析」をファイブ・フォース・モデルの基礎の一つとして位置づけた。彼は言った。「競合を理解する目的は、彼らを模倣することではなく、次の一手を予測することだ。」

あなたのホテルにもこの分析が必要だ。「相手を模倣する」ことではなく、「お客さんがなぜ選ぶのかを理解する」ことだ。

活用事例

このツールを使っている記事